昭和4年3月の府下農村に於ける副業的加工業の概況(大阪府内務部)を掲載する。(画像)
の数字が昭和2年分と異なるのは高向村の黒文字楊枝だけでと考えられる。 関町史によると「関町における不況」(下巻424頁)のところに将来を嘱望されていた楊枝製造の関勢社(工員20人、年生産2万円)も不況の波には抗することもできず昭和8年閉鎖されたとなっているがその生産の主体が卯木ようじは熊本・湯の前に移り、白樺の機械生産が河内長野に移行したため三重県での生産がなくなるのである。 昭和10年から13年迄の4年間の広栄社の商工省調査票の控えが残っている。(画像)
年代 昭和10年 昭和11年 昭和12年 昭和13年
原料使用額 4,000円 4,500円 4,000円 6,000円
白樺使用量 500石 500石 400石 400石
原木価格/100石 800円 900円 1,000円 1,500円
石炭消費量 36,000 12,000
使用原動機 3馬力モーター 3馬力モーター 3馬力モーター 3.1馬力モーター
電気使用量 4,800円
生産量 1000梱 1000梱 800梱 800梱
生産額 7,500円 8,000円 7,200円 9,600円
従業員 男 3 3 3 3
従業員 女 6 6 2 2
賃金 男 1円50銭 1円50銭 1円50銭 1円50銭
賃金 女 60銭 60銭 60銭 60銭
一日労働時間 10時間 10時間 10時間 10時間
年間労働時間 320日 320日 320日 320日
作業機械設備
剥き機械 1 1 1 1
削り機械 2 2 2 1
成形機 5 5 5 5
摩擦機 2 2 2 2
乾燥機 1 1 2 2
注:1.原木は北海道産白樺で1石は3.6立法メ-トル
2.製品は文化平楊枝で1梱の入数は約10貫(37,5kg)で約50万本
昭和10年頃の輸出用平ようじのパッケージ
必要な機械を作るために鋳物の木型から作らざるを得なかった。ここにその一部を紹介する。