四、販路 取引状態・・・黒文字楊枝は仲買人が各農家に材料を渡し、加工させ妻楊枝業者に納めた。それに業者は包装加工し、市場に出した。 同様に卯木楊枝は業者が製造家より丸楊枝の製品を買い包装加工し、市場に出した。
五、商品一覧・・・この中で鉄砲楊枝・黒文字上・白魚・千両箱小・ウタイ入・千両箱大が黒文字製である。(写真参照) 黒文字楊枝は形や包装の上からも趣味性のものが多く、価格も 高い。
一般に使われた楊枝は卯木の丸楊枝である。
輸出向けの麦桿箱は麦わらの茎を乾燥させ、切り開き、平たく 伸ばして着色した後、これを編んで小さな、綺麗な箱にしたものである。この箱に楊枝を入れたのである。
稲葉由太郎が大正8年当時の取引先と別途自身で調査した全国の楊枝製造業者の記録が残されているので掲載する。つまようじは全国各地で製造されていたことが分かる。
地域 会社・個人名 住所
福島県 渡部新蔵 福島市川桁
静岡県 鈴木美之輔 加茂郡下河津河波浜
静岡県 日本林産㈱ 菊地健司 富士郡加島村
福井県 清津 遠藤常次郎 大野郡大野町
三重県 駒楊枝会社 大西 度会郡大内山村駒
三重県 日新社 加藤 安濃郡新町八町
三重県 錦盛社 谷本 津市下弁才町
三重県 関勢社 今井・稲葉 鈴鹿郡関町
兵庫県 神谷商店 神谷 神戸市山手通八丁目
兵庫県 日清館 淡路島洲本本町字志築町
大阪府 曽和義弐 南河内郡高向村高向
和歌山県 高野妻楊枝合名会社 (尾嵜幸太郎) 伊都郡高野山字蓮華谷
高知県 土佐林産工業(株) 高知市外下知町
高知県 坂本伊與次 高知市外下知町
高知県 岡宗利八 安芸郡川北村字井口
高知県 川竹 安芸郡川北村字井
高知県 細木 安芸郡和食村